建築コンセプト

建築コンセプト

子どもたちの成長や発達にとって環境はとても大切なことです。保護者・保育士が共に関われる、安全で安心な保育環境を用意すべく、「自然」「遊び」「暮らし」というテーマが共存する空間で、風と土と水と緑が子ども達を温かく包み、『驚き、発見、助け合い、悲しみ、喜び、不安、挑戦と達成感』の毎日が積み上げられる様に、「うつのみやなでしこ保育園」の園舎・園庭を設計し、子どもの行動を熟知した経験豊富なスタッフにより、子ども、保護者、保育者、そして地域の人にとっても安全・安心な保育環境を提供します。
なでしこ保育園園庭イメージ なでしこ保育園遊戯室イメージ

その基本となるコンセプトは次の三つです。

①自然と共にいきていく環境

人は自然と共に生きてこそ人であり、自然と深く関わってこそ心も体も健全に成長するものであります。

  • (イ)畑や田んぼ、田川、八幡山に囲まれ、遠くに日光連山が望む恵まれた環境の中で、屋上を広く作り四季の変化と農作物の成長を風と共に感じ、子供たちのこころを豊かに育て、知性、感性を育む空間を設けました。
  • (ロ)感性豊かな子どもとして巣立つことを願って、園庭には小さな土管山、どんぐりの木、水遊びができる水たまりと井戸・畑を設け、「自然と共に生きる」感覚を伝える環境を設けました。
  • イメージ_保育園外観(ハ)園庭を中心にコの字型に建物を配して、各部屋は広い廊下で結ばれ、通路であると同時に遊び場としての空間が作られ、また自然の光と風をふんだんに取り込む大きな窓と扉により、遊びと生活の中で、常に風と緑と光が感じとれ、あらゆる部屋から園庭が緩やかにつながり、五感を通して季節を感じとれるようにしました。

②遊び通しての多様な体験機会の確保

遊びも学ぶことの一つで、あえて困難なものも設け、個々の頑張りと助け合いによる達成感を味わえることで、豊かな個性が育まれる。

  • (イ)どんぐりの木にツリーハウスを設け、縄梯子・ボルダリング・吊り橋すべり台等と「遊具の安全確保に関する指針」にそって配置し、五感を使ってのびのびと遊び、豊かな感性や協調性が育まれる環境にしました。
  • (ロ)遊戯室や保育室に、インドアークライミングや隠れ部屋を設けて、雨天時でも壁や吹き抜け空間を有効に利用した多様な遊びの空間を作り、室内においても活発な運動量が確保できる環境を確保しました。
  • (ハ)園庭から屋上へ、屋上から園庭へと2か所の階段を繋げることで、園庭の各種遊具で体験できる冒険と驚き、そして発見と挑戦、また屋上に広がる大空と太陽が、障壁のない園庭と園舎で遊びの回遊を構築しました。
  • (ニ)園庭を乳児エリアと幼児エリアに分けて遊具を配置し、安全と安心そして年齢に即した遊びの環境を確保しました。

③明るく快適な暮らしの空間の確保

子どもの成長過程の中で、多様な体験機会は必要とされますが、そのためには、安全で安心な、且つ豊かな個性を育むことができる生活環境の確保は不可欠とされます。

  • (イ)年齢別保育を行いながらも、集団での生活が体験できるよう遊戯室や食堂を設けました。
  • (ロ)建具の角はなるべく削り、また安全カバーの設置や扉には指づめ防止の保護など、子どもの生活や遊びの環境を考える上での安全性は最大限確保しています。しかしすべての危険を取り除くことは本当に良いこととは考えておりません。そのため、どの年齢の子どもにも挑戦すべき遊具があるように、生活の中で多少の危険を感じさせることも必要と考えた保育環境を構築しております。
  • (ハ)エントランスや各部屋と廊下、およびトイレや遊びの空間への通路等は、段差を無くしバリア・フリーとしております。また障がいをお持ちの方や訪れるお年を召された方のために、車いす用のトイレや、屋上への移動も容易にするエレベーターも設置しました。
  • (ニ)床暖房など最低限の空調設備を確保しながら、開放可能な扉・高窓の設置、また空気の循環を補うために、天井にシーリングファンを、壁に扇風機を設置するなど通風を十分に確保し、ロールカーテン等により遮光と日射を適切にコントロールすることで、省エネルギーが図れる設備を設けました。
  • (ホ)親子のための行事や保育士の研修や会議、また保護者同士の情報交換のできるスペースや、不安や悩みを話すことができる相談室を設けて、親子と保育士の保育環境の充実を図りました。